大麻取締法および麻薬及び向精神薬取締法の改正に際して、以下の6つの論点について更なる検討が必要です。
1. 医療用大麻の適正な利用の推進
医療用大麻の需要が増加している中、現行法では大麻由来の医薬品の使用が禁じられています。
これにより、医療用大麻の適正な利用が妨げられています。
改正法においては、以下の措置が考慮されるべきです。
- 大麻由来の医薬品の使用を合法化する。
- 医療用大麻の使用対象を具体的に明示する。
- 医療用大麻の使用基準を設ける。
- 医療用大麻の安全性・有効性に関する研究を促進する。
2. 薬物乱用の防止
大麻の違反者が増加しており、特に若者の間での使用が懸念されています。
誤った情報が広まりつつある中、薬物乱用の防止には以下の措置が必要です。
- 大麻の危険性に関する教育・啓発を強化する。
- 大麻の使用に対する規制を厳格化する。
- 薬物乱用への対策を一層強化する。
3. 大麻栽培の規制の見直し
大麻栽培者が減少し、規制が厳しくなっている現状において、大麻栽培の規制に関する見直しが求められます。
具体的な措置としては以下が考えられます。
- 大麻栽培の目的を具体的に明確化する。
- 大麻栽培に関する基準を設ける。
- 大麻栽培の管理を強化する。
4. 大麻利用の拡大の可能性
大麻は伝統的に神事や衣類の原料として使用されてきましたが、現在は海外産が主流です。
改正法では大麻利用の拡大を見据え、以下の措置が必要です。
- 大麻利用に関する基準を具体的に設ける。
- 大麻利用に関する研究を積極的に促進する。
5. 麻薬中毒者の支援の拡充
麻薬中毒者に対する支援は不足しており、現行の措置入院が行われていません。
改正法では、以下の措置が必要です。
- 麻薬中毒者の再発防止や社会復帰への支援を充実させる。
- “麻薬中毒者”という表現を見直す。
6. 大麻草由来製品の麻薬指定成分の残留
海外では大麻草由来製品の流通に際し、THCの含有量を制限する基準がある中、日本でも規制の導入が求められています。
改正法では以下が考慮されるべきです。
大麻草由来製品のTHCなどの麻薬指定成分の残留に関する規制を検討する。
これらの論点を総合的に考え、適切な改正を行うことが、国民の安全と安心を確保する上で不可欠です。
結論
大麻取締法および麻薬及び向精神薬取締法の改正には、医療用大麻の適正な利用の推進、薬物乱用の防止、大麻栽培の規制見直し、大麻利用の拡大の可能性への対応、麻薬中毒者の支援拡充、および大麻草由来製品の麻薬指定成分の残留への規制が求められています。
これらの論点に対処するため、具体的な法改正が必要であり、特に医療用大麻の利用や薬物乱用防止策、麻薬中毒者の支援体制の充実が急務です。
国民の健康と社会の安全を確保するためには、多角的かつバランスの取れたアプローチが必要です。
改正法案の検討においては、専門家や関係者の意見を十分に取り入れつつ、包括的かつ柔軟な法体系を築くことが肝要です。
参考
大麻取締法などの改正案 閣議決定 大麻草が原料の医薬品容認へ | NHK | 医療・健康